2013年9月24日火曜日

ビスマルク号を撃沈せよ!

ビスマルク号を撃沈せよ!
Sink the Bismarck!
1960年 イギリス/アメリカ 97分
監督:ルイス・ギルバート

乗艦をビスマルクに撃沈され、家を爆撃で粉砕されて妻を殺され、そのせいで感情を表わすことをやめてしまったシェパード艦長が海軍の作戦部長に任命されて出撃してきたビスマルクの対応にあたり、内輪の空気でだらけた部下を叱りながら大西洋で駒のように軍艦を動かし、海峡を見張り、艦船が足りなくなると護送船団の護衛を減らし、地中海から空母を動かし、フッド爆発の知らせを聞いても冷静をたもち、アークロイヤル勤務の息子がソードフィッシュに乗って海に消えても冷静をたもち、包囲の輪をせばめてビスマルクを追い詰め、砲撃戦でビスマルクを懲らしめ、魚雷を使ってとどめを刺し、ついに撃沈して食事に出ると夕方のつもりだったのが実は朝であった、というお仕事映画である。
きわめてクリアな状況描写と海軍作戦部から兵員室の水兵まで、バランスの取れたドラマの作り方が好ましい。ビスマルクを含め艦船の多くはミニチュアだが、精度が高くて特撮シーンの仕上がりもよく、特にフッドの爆発シーンはすさまじい。 

Tetsuya Sato