2013年9月11日水曜日

パットン大戦車軍団

パットン大戦車軍団
Patton
1970年 アメリカ 170分
監督:フランクリン・J・シャフナー
脚本:エドマンド・H・ノース、フランシス・フォード・コッポラ

パットン将軍の人物像を北アフリカ戦線から終戦までの期間を背景に描く。冒頭、ホルスターに象牙の握りを持つ拳銃を収め、星条旗を背にして士官候補生に演説をぶつパットンの姿がまず強烈であり、以降、ジョージ・C・スコットの演技はとてつもないテンションを保ってこの極端に英雄的で極端に短絡的な人物を印象づけていく。リベラル系の俳優としては精神衛生に悪い仕事だったのではあるまいか。
1943年、北アフリカ戦線に着任したパットンはロンメルなき後のロンメル軍団を殲滅し、シチリア上陸作戦ではモントゴメリーを抜いて勝手にパレルモを占領し、戦闘神経症の兵士を銃で脅して物議をかもし、軍団を取り上げられてイギリスで婦人クラブを相手に講演する。その内容がまた物議をかもし、それでも盟友ブラッドリーの口添えで戦線に復帰したパットンはバルジの戦いで戦功を上げ、ドイツ降伏後はソ連と喧嘩をして物議をかもし、失意の底で車に蹴られて死んでしまう。
生まれてくる時代を間違えたひとなのであろう(1920年代にワシントンでホームレスに向かって騎兵の突撃をかけたのはこいつではなかったか)。見ごたえのある大作である。ジェリー・ゴールドスミスの音楽がすごい。




Tetsuya Sato