2013年2月22日金曜日

ダイ・ハード/ラスト・デイ

ダイ・ハード/ラスト・デイ
A Good Day to Die Hard
2012年 アメリカ 98分
監督:ジョン・ムーア

ニューヨーク市警の皆殺し専門刑事ジョン・マクレーンはかれこれ数年も音信不通の息子がモスクワで逮捕されて公判を待っていることを知ってモスクワの裁判所まで出かけていくが、そこで爆発が起こって裁判所の壁が吹き飛ばされ、武装した男たちが裁判所へ突入し、かわって息子が公判の被告ユーリ・コマロフを連れて路上に現われ、武装した男たちが逃走する息子とユーリ・コマロフを追いかけるのでジョン・マクレーンも追跡に加わって道を車の墓場に変え、ジョン・マクレーンがようやく息子と言葉を交わすと、そのときにはすでになにやらの面倒の渦中にある。
で、そのなにやらの面倒がいまひとつすっきりとしていないし、面倒を引き起こすロシア側のキャラクターの造形もあわせていまひとつすっきりとしない。
ブルース・ウィリスはジョン・マクレーンという看板を背負っているだけで、息子役のジェイ・コートニーを含め、登場人物は全体に魅力に乏しく、90分ほどの短い尺にもかかわらずだれ場があって、ダイアログに無駄が目立つ。というわけでスクリーンを眺めながら、モスクワを訪れたジョン・マクレーンが息子を発見してみると息子はすっかり記憶を失っていて、いったいなにがと思っていると実は息子はトレッド・ストーンの犠牲者で、そこへクリス・クーパーが率いる得体の知れない組織が襲いかかって、などということをこちらで勝手に考え始めることになるのである。
監督は『マックス・ペイン』のジョン・ムーア。ある意味一貫している仕事ぶりで、ジョン・マクレーンが立った場所はあらかたが廃墟と化すというコンセプトは徹底しているし、冒頭のカーチェイスの二次被害ぶりも徹底しているだけあってある種の見物に仕上がっているが、これほどの騒ぎを起こす背景を欠いているので結果としてはバランスが悪い。劇中に登場して機関砲を撃ちまくるMi-24、Mi-8の雄姿は一見に値する。 


Tetsuya Sato