2012年9月6日木曜日

キャプテン・ザ・ヒーロー

キャプテン・ザ・ヒーロー 悪人は許さない
The Return of Captain Invincible
1983年 オーストラリア 90分
監督:フィリップ・モラ

第二次大戦中に真紅のマントを翻してナチと戦ったキャプテン・インビンシブルが、50年代に入ってから赤狩りにつかまり、査問委員会でいじめられた結果、アル中になって落ちぶれる。で、現代、クリストファー・リー扮するミスター・ミッドナイトが東海岸壊滅の大陰謀を企んだりするので、その陰謀を阻止するにはあいつしかいないということになり、また担ぎ出される。
オーストラリア映画で、監督は『ハウリング2』のフィリップ・モラ、キャプテン・インビンシブルがアラン・アーキン。 冒頭にモノクロのニュースフィルムの形式で再現された査問委員会のシーンは傑作である(なぜ赤いマントを着ているのか? 大尉の階級はどこでもらった?)。あとはアル中から更生しようとしているキャプテンの前に現われて、積み上げられた無数のグラスを背に、クリストファー・リーが「飲め!」と歌う場面くらいであろうか(ミュージカルなのである)。作りが野暮ったいし、歌も踊りも野暮ったい。陰謀にかかわる描写は目を見張るような低予算ぶりで(確信犯だとしてもあれはなかろう)、話半分くらいの気持ちで見るとちょうどいい映画である。


Tetsuya Sato