2012年9月28日金曜日

宇宙戦争(1953)

宇宙戦争
The War Of The Worlds
1953年 アメリカ 85分
監督:バイロン・ハスキン

火星が大接近したある日、カリフォルニアの山中に怪隕石が落下し、そこから出現したウォーマシンが包囲する軍隊をなぎ払い、同様の機械が世界各地に出現するので人類文明が危うくなる。H・G・ウェルズの原作からコンセプトだけをもらってきて、人類対火星人の攻防を主軸に徹底して「SF映画」をした結果、そういう単純な脚本とバイロン・ハスキンの単純な演出がよく噛みあって、なかなかな傑作になっているのである。
ときどき引っ張り出しては見ているけれど、視覚的な豊かさ、音響設計のすごさ、ドキュメンタリー調のてきぱきとした筋運びはまったく古びてこない。人類側の最後の手段として原爆投下機が登場すると、これがノースロップYB-49「フライング・ウィング」の本物で、その勇姿、というか不可思議な姿を見ることができるのもありがたい。




Tetsuya Sato