2014年12月6日土曜日

Plan-B/ 海底

S1-E19
海底
 深海五百メートルに設置された鉱物採掘基地で作業員が働いている。頑丈な作業用の潜水服で外に出て、交替サイクルの長さをぼやきながらチューブワームの森を抜けた。その先で見つかった岩盤でボーリング作業が進んでいる。岩盤の下に鉱脈があるのがわかっていた。だからボーリングで穴を開けて爆薬をしかけ、岩盤の表層を吹き飛ばして鉱脈を露出させる必要がある。爆薬をしかけた。作業員が退避する。爆発が起こって海底に煙がほとばしり、採掘基地の地震計が強い振動を記録した。煙の下で岩盤がゆっくりと崩れ落ちていく。揺れが静まり、煙が収まるのを待ってから作業員が近づいていく。洞窟が口を開けていた。洞窟がある、と作業員が報告する。おかしいな、と採掘基地の監督が言う。洞窟から泡が噴き出した。泡と一緒に巨大ななにかが飛び出した。それは棘の生えた甲殻類の腕を振って作業員を一撃で砕き、採掘基地に向かって突進した。

Copyright ©2014 Tetsuya Sato All rights reserved.