2014年12月15日月曜日

Plan-B/ 道

S1-E27
 寝坊をした。少年は鞄を背負って学校へ通じる道を急いだ。そこの角を曲がれば学校が見える。あと少しだ、少年はそう考えていつもと同じ角を曲がった。道いっぱいになにか奇妙なものがうごめいていた。どれもがドッジボールのボールほどの大きさでしかなかったが、大きく開いた口に意地悪そうな牙を並べ、棘の生えた背中を丸めて二本足で歩いていた。少年は足をとめて考えた。帰ろうか。でも母親の小言が怖かった。学校のほうからチャイムの音が聞こえてきた。どうしよう。どう考えても母親の小言のほうが怖かった。少年は足を前に踏み出した。ゆっくりと、気づかれないように、ゆっくりと。

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