2014年9月26日金曜日

オール・ザ・キングスメン

オール・ザ・キングスメン
All the King's Men
1949年 アメリカ 104分
監督:ロバート・ロッセン

アメリカの南部の州のとある町で一人の男が会計に立候補する。町の有力者たちが平然とおこなっている不正を暴くためであったが、妨害にあって落選する。その後、男は独学で法律を修め、市民の立場から不正に対する弾劾を続け、知事選が始まるといきなり後ろ盾を得て候補者となる。実はすでに立候補している男が対立候補の票を割るための当て馬に利用したのであった。本人はそうと知らずに従来どおりの演説をおこない、見かねた周囲の人々が真相を告げると、飲むことを知らなかった男は飲むことを覚え、告発演説を即興でおこなうことで大衆操作に関する感触を掴む。その知事選では落選したが、男は四年後をにらんで活動を続け、政治家として一歩前進することで取引することも学習し、再び知事選に出馬して当選を果たす。善意から出発した男は善の始まりには悪があると語るようになり、数々の不正をおこなって告発を闇に葬り去り、公共事業によって民心をつかみ、政敵は背後を探って弱みを掴み、家庭を顧みず、ただ周囲の者をその配下へと組み敷いていく。
二時間に満たない長さに濃密な内容が盛り込まれていて、語り口には無駄がなく、映像はダイナミックでテンポが速い。善良だが鈍重な田舎者が政治家の顔を得ていく過程をブロデリック・クロフォードが実にみごとに演じている。


Tetsuya Sato