2014年4月6日日曜日

ランナウェイ

ランナウェイ
Thunder and Lightning
1977年 アメリカ 99分
監督:コリー・アレン

フロリダの湿地帯で爺さん二人が密造酒作りに励んでいると、そこへハニカットの子分が三人現われ、爺さんたちの醸造装置を爆破する。ハーレイはエアボートの上でダイナマイトの爆音を聞き、早速駆けつけてくると爺さんたちが縛られている。ハーレイは爺さんたちの密造酒を売って歩くのを商売にしていたので、ハニカットの一味に邪魔をされたことを知ると、すぐさま報復に出て、エアボート対エアボートの戦いになる。これはハーレイの勝利に終わり、ハニカットの子分どもはハーレイの跡を追って教会に追い詰めるが、そこでは牧師がワニと戦いながらヘビの誘惑について説教をしている。ハニカットの子分はメソジスト派なのでそういう教会には入ってこないが、ハーレイが出てくるのを待ち受けている。しかしハーレイは教会で婚約者と落ちあっていて、その婚約者というのはハニカットの子分どもの親分の娘、つまり地元の有力者で議員やマフィアとのつながりがあるR.J.ハニカットの娘であったので、子分どもは引き下がらなければならなくなる。ハーレイは爺さんの醸造装置が破壊されたお返しにハニカットの車を爆破し、ハニカットの子分どもはまたしてもハーレイに敗北し、マフィアの警告にもかかわらずハニカットは粗悪な酒をニューヨークの黒人に向けて出荷するので、ハーレイとハニカットの娘は密造酒を満載したトラックを追い、それを警察が追い、ハニカットの子分が追い、ハニカット本人も追い、マフィアの殺し屋がハニカットを追いかけて、車が走ったり壊れたり、ということになっていく。
ハーレイがデヴィッド・キャラダイン、ハニカットの娘がケイト・ジャクスン。ロジャー・コーマン製作のたいそう野暮ったいアクション映画(ルイス・ティーグが第2班監督をやっている)で、ストーリーはまとまりがなくてだらだらとしている。へたくそに作られた映画だが、のんびりムードと間抜けな雰囲気は徹底していて、車が派手に吹っ飛んでも、銃撃戦がおこなわれても、最後にいたるまで誰も死なない。マフィアが送り込んでくるスナイパーはテレビの暴力番組が嫌いでこどもと一緒に『カンガルー船長』を見ていると自己申告するし、ちんぴらどもが清掃車の黒人運転手に銃を向けると「おまえらが銃を向けているのは黒人じゃない。公務員だ」とやり返される。そういうところは好きだと思う。
ランナウェイ [VHS]
Tetsuya Sato