2014年4月28日月曜日

誇りと情熱

誇りと情熱
The Pride and the Passion
1957年 アメリカ 132分
監督:スタンリー・クレイマー

1810年のスペイン。ケーリー・グラント扮するイギリス海軍のアンソニー・トランベル艦長はスペイン語と砲術の能力を買われて単身スペインに送り込まれる。スペイン陸軍から青銅の巨砲を受け取るためであったが、引き渡しをするはずのスペイン軍はフランス軍の攻撃を受けて撤退し、大砲は崖の下へ捨てられていた。トランベル艦長はゲリラのリーダー、フランク・シナトラ扮するミゲルの協力を得て大砲を引き上げることに成功するが、ミゲルは大砲の引き渡しを拒む。ミゲルの故郷、アヴィラの町はフランス軍に占領されており、フランス軍はミゲルの所在や大砲の所在を聞き出すために毎日市民十名を処刑しているのであった。ミゲルは大砲をアヴィラへ運ぶと主張し、アヴィラで使ったあとは引き渡すと譲歩してトランベル艦長の協力を取り付ける。だが出発して間もなく、ミゲルはトランベル艦長がゲリラのなかの美女ホアナを熱く見つめていることに気づき(なにしろソフィア・ローレンだし)、ホアナもまたまんざらではないことを知って嫉妬を覚え、話は三角関係にもつれ込む。ゲリラたちは主人公三人の痴話喧嘩の合間に万難を排して大砲を運び、遂にアヴィルの町に到達して砲撃を開始する。城壁が崩れ、そこを目指して冗談抜きに一万人が突撃し、町は解放されるのであった。
原作はセシル・スコット・フォレスターの『青銅の巨砲』だが、実は読んでいない。全長十メートル近い巨砲は見ているだけでも迫力があるし、ソフィア・ローレンがフラメンコを踊ったり、橋を爆破したり、聖週間の行列が登場したりと見せ場は用意されているものの、あまり話は盛り上がらない。単純すぎる人物造形が問題であろう。


Tetsuya Sato