2013年8月31日土曜日

続・夕陽のガンマン

続・夕陽のガンマン
Il Buono, Il Brutto, Il Cattivo Da Uomo A Uomo
1966年 イタリア・スペイン 155分
監督:セルジオ・レオーネ

二十万ドルの軍用金をめぐって三人の男が対立する。だから最後の決闘も三つどもえである。『続・ 夕陽のガンマン』という邦題は完全な間違いで、ここはやはり原題どおりに『いい奴、悪い奴、汚い奴』と覚えるべきであろう。まずイーライ・ウォラックが登場して「汚い奴」とレッテルを貼られ、次にリー・ヴァン・クリーフが登場して「悪い奴」ということになり(本当に悪い)、最後にクリント・イーストウッドが「いい奴」として紹介されるが、ラストでイーライ・ウォラック扮するトゥーコが指摘するように、それほどいい奴というわけではない。
超大作で、三人が動き回る背景では勝手に南北戦争が進行していて、軍隊が移動し、戦争のせいで町は廃虚と化しているし、降り注ぐ砲弾がときどき状況をリセットする。ほかにも北軍の捕虜収容所、北軍の塹壕陣地などが登場し、奥行きのある見せ場に恵まれている。クリント・イーストウッド、リー・ヴァン・クリーフは例によって渋く決めているが、そこへ一種のコメディ・リリーフとして投入されたイーライ・ウォラックが圧倒的に面白い。早撃ちで、間抜けで、妙に正直で、執念深い悪党である。しかもホルスターを持っていなくて、いつもピストルを首からぶら下げている。間抜けな割りにはこだわりがあって、武器をなくして金物屋を訪れ、シリンダーの回転音に耳を澄ませながらいくつかのピストルからカスタムメイドを組み上げる場面などはひげ面に浮かんだ神妙な表情がなんともかわいらしい。モリコーネの音楽も乗り乗りだし、ひねりの利いた傑作である。



Tetsuya Sato