2013年3月5日火曜日

風とライオン

風とライオン(1975)
The Wind and the Lion
監督・脚本:ジョン・ミリアス

1904年のモロッコ。アメリカ人女性イーデン・ペデカリスとその二人の子供がリフ族の首長ライズリによって誘拐される。ライズリによれば、これはサルタンが列強の術中にあることを世に知らしめるためであったが、選挙を目前に控えて再選をもくろむルーズベルトは問題を看過し得ないとして艦隊を送り、タンジールに上陸した部隊はパシャの宮殿を攻撃、占拠する。すると問題は解決に向かって動き、ペデカリス母子は解放されるものの、優勢を誇るドイツ軍はライズリを捕縛、ドイツ軍の行動はルーズベルトが与えた言質を損なうと信じたペデカリス夫人は海兵隊を扇動し、そこへリフ族も大挙して攻め込んでくる。
ライズリがショーン・コネリー、ペデカリス夫人がキャンディス・バーゲン、ルーズベルトがブライアン・キース。ジョン・ミリアスはルーズベルトを吹き抜ける風にたとえ、ライズリをそこにい続けるライオンにたとえ、モダンな視点で両者の政治的特徴を対置する。かなりの単純化が機能しているような気がするものの、とにかくショーン・コネリーがかっこいいし、砂漠や荒れ野を進むリフ族の戦士たちもかっこいいし、そういう環境になんとなく感化されていくペデカリス夫人の子供たちが面白い。そしてなんといってもジェリー・ゴールドスミスの音楽がすごいのである。




Tetsuya Sato