2015年8月7日金曜日

ジュラシック・ワールド

ジュラシック・ワールド
Jurassic World 
2015年 アメリカ/中国 125分
監督:コリン・トレヴォロウ

ジュラシック・パークの事故から20年後、ハモンドの遺産はサイモン・マスラニが率いるマスラニ社に受け継がれ、マスラニはコスタリカ沖の島をジュラシック・ワールドとして再生させて毎日二万人が訪れるテーマパークとして成功させるが、常に新しいアトラクションを求める観客のために2600万ドルをかけて開発した新種を仕様を理解しないまま不適切な管理下で飼っていたため、この新種が檻を破って逃走、マスラニ社は初期対応に失敗して被害を拡大させ、そこへ恐竜の軍事利用をしきりと主張するインジェン社が介入、逃走した新種を訓練されたヴェロキラプトルに追わせるという案を出し、ラプトルの調教にあたっていたオーウェンがインジェンの武装チームとともに出撃するが、新種の仕様に関する情報開示の不足から作戦は失敗、チームは全滅し、生還を果たしたオーウェンはマスラニ社のクレアとともに新種と対決する。 
クリス・プラット、ブライス・ダラス・ハワードは非常にいい仕事をしていたと思う。監督は『彼女はパートタイムトラベラー』のコリン・トレヴォロウ。インディー系の監督がこの大作を立派にこなしている。ジュラシック・ワールドのおもに人間でひしめいているテーマパークぶりが俗悪な部分も含めてよくデザインされており、家族の絆だの兄弟の絆だの男女の絆だのといったややわずらわしい要素も邪魔にならない程度によく整理されて盛り込まれ、ラプトルの猟犬ぶりも楽しいし、全体としてのバランスもよい、ということで、このシリーズではいちばん面白いのではあるまいか。話に出てくるだけでいっこうに顔を出さないので妙だなと思っていたら、トリはやっぱりあのひとでした、という仕組みになっているものの、モササウルスに淡々と華を奪われていたような気もしないでもない。ピンツガウアー、ウニモグの登場がちょっとうれしい。



Tetsuya Sato