2015年4月8日水曜日

Plan-B/ 蠅

S4-E18
 とある家の地下室で科学者が物質転送装置の開発を進めていた。この装置が実用化されれば輸送に要するコストが大幅に削減されて無作法な配達員が一掃され、人類は新たな時代を迎えることになるだろう。ティーカップを使った実験は成功した。装置Aから送り出されたティーカップが装置Bで実体化した。愛用の万年筆でも実験した。リンゴを使った実験も成功した。実体化した標本は分析センターに送って成分を調べて、転送が正常におこなわれたことを確かめていた。科学者はチリビーンズの缶詰でも実験をして、標本を分析センターに郵送した。分析センターから届いた報告書を見て、科学者の顔が蒼褪めた。缶詰に蠅が入っていたという。

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