2013年10月22日火曜日

フェーズ6

フェーズ6
Carriers
2009年 アメリカ 85分
監督:アレックス・パストール

致死率100パーセントの疫病が全世界に蔓延し、感染をまぬかれた兄弟とそれぞれのガールフレンドのあわせて四人が安全な場所を求めて道に車を走らせる。そうするとひとりが不器用な善意から感染し、感染したひとりからまたひとりが感染し、エゴと暴力が顔を出し、殺人がおこなわれ、男女の愛情も肉親の愛情も生存のために振り棄てられ、ようやく安全な場所へたどり着いてもそこにいる男女はしょせん他人同士であり、交わすべき言葉もないのでぼくは孤独を感じたりするのである。
かなり淡々としてはいるが、終末を迎えた世界のディテール(放棄された町、ショーウィンドウ、死体の山など)は低予算ながらもよく作り込まれ、出演者もわかりやすい演出で充実した演技を見せている。なんというのか、若造のサンダンスなモノローグが少々じゃまではあるものの、野心の見えるまじめな作りは好ましい。ちなみに主役の兄弟のうち、がさつな兄を演じているのはJ.J.エイブラムス版『スター・トレック』でカークを演じたクリス・パイン。 




Tetsuya Sato