2013年10月10日木曜日

メンフィス・ベル

メンフィス・ベル
Memphis Belle
1990年 イギリス/日本/アメリカ 107分
監督:マイケル・ケイトン・ジョーンズ

第二次大戦中、B17に乗り込んで計25回の爆撃任務を果たした若者たちの物語。搭乗員は二十歳になるかならないかのこどもで構成されていて、それが最後の任務として過酷な昼間爆撃に送り出される。ドイツ軍の対空砲火にさらされるし、もちろん迎撃機も舞い上がってくる。被弾して魔法瓶を粉々にされ、飛び散ったトマト・スープを見て血だ血だと騒ぐのである。まわりでは僚機が火を吹いて落ちていく。真っ二つに割れた機体もあれば、操縦席をえぐり取られてどこかへ漂っていく機体もある。機銃座は吹き飛ばされて足元には虚空が広がる。機体は穴だらけになり、着陸脚は動かなくなる。それでも俺たちは生きて帰るんだ、ということで頑張って任務を果たしてメンフィス・ベルは帰還するのである。マシュー・モディーンが絶叫を放って仲間にシャンパンをぶっかける姿は、それまでがそれまでだけに納得がいく。うまくはないが、正直に作られた映画である。ただ空戦場面にむらがあって、B17の飛行シーンも含めていいところは抜群に迫力があるのに、いくつかのミニチュア・ワークは感心できるような仕上がりにはなっていない。


Tetsuya Sato