2014年11月7日金曜日

外套と短剣

外套と短剣
Cloak and Dagger
1946年 アメリカ 106分
監督:フリッツ・ラング

第二次大戦末期、フランスのレジスタンスの偵察で大量のウランがドイツへ運ばれていることをつきとめたOSSは物理学者アルヴァ・ジェスパーを徴用し、アルヴァ・ジェスパーはドイツから逃れてきたハンガリーの物理学者カテリン・ローダと会うためにスイスを訪れるが、スイスではゲシュタポのスパイが目を光らせ、ようやく接触を果たしたカテリン・ローダはゲシュタポによって誘拐されてしまうので、アルヴァ・ジェスパーは対独協力者のアメリカ人美女を恐喝してカテリン・ローダが監禁されている場所をつきとめ、そこをOSSの要員とともに急襲するが救出に失敗、アルヴァ・ジェスパーはドイツ側の情報を得るために今度はイタリアに潜入してイタリアの物理学者ポルダと接触し、娘を人質に取られて口を閉ざすポルダのためにアルヴァ・ジェスパーは娘の救出を約束し、イタリアのレジスタンスが救出作戦を進めるあいだ、アルヴァ・ジェスパーはレジスタンスの美しい娘ジーナと隠れて過ごすことになるが、ここでもゲシュタポやオヴラが目を光らせ、戦争とレジスタンス活動によって身も心も穢れたと感じているジーナは隣人の怪しい挙動も尼僧の怪しい挙動もことごとく危険な兆候として読み取るのでアルヴァ・ジェスパーには心の休まるひまがない。というわけで素人の物理学者ゲイリー・クーパーが素人だからと言い訳をしながら素人とは思えない活躍をする。最後はトンプソンで武装したイタリア人レジスタンスとドイツ軍の大銃撃戦。いわゆるスパイものとしてそこそこによくできたプロットとゲイリー・クーパーの存在感で最後まで飽きることはないものの、サスペンス演出は直球勝負でフリッツ・ラングらしさはあまり見えない。ちなみに撮影はほとんどがセットでおこなわれており、セットの使い方は非常にうまい。



Tetsuya Sato