2014年3月10日月曜日

奴らを高く吊るせ!

奴らを高く吊るせ!
Hang 'Em High
1968年 アメリカ 114分
監督:テッド・ポスト

牧童のジェド・クーパー(クリント・イーストウッド)が800ドルで買った牛の群れを追っていると、そこへ9人の男が現われてジェド・クーパーを牛泥棒と決めつけてジェド・クーパーの首を吊り、代わって現われた連邦保安官がジェド・クーパーを救ってフォート・グラントの町へ送り、間もなく牛泥棒の真犯人が見つかったことでジェド・クーパーは自由の身となるが、フォート・グラントのフェントン判事(パット・ヒングル)は復讐を求めるジェド・クーパーを連邦保安官に任命し、ジェド・クーパーは法を執行するために自分を吊るした男たちを追って無法がはびこるオクラホマ準州にウマを走らせる。ジェド・クーパーを吊るした男たちは追手が迫っているのを知ってジェド・クーパーの買収をはかってあえなく失敗し、そもそも無実の者をリンチにかけたことが失敗であり、リンチにかけていながら相手を生き延びさせたことも失敗であったと悟り、ジェド・クーパーを殺害するためにフォート・グラントの町を訪れ、ジェド・クーパーに向かって何発となく弾丸を叩き込むことに成功するが、いったいどこを狙ったのか、またしても失敗し、負傷から回復したジェド・クーパーは自分を襲った男たちを捕えるために再び馬上のひととなる。
私法と公法の暴力性がほぼ同質に併存する状況を背景に、方向性の異なる人物像を豊富に配して視点の多様性を与え、奥行きのある内容に仕上げている。しっかりとした脚本を腕の確かな監督が堅実にまとめ、見ごたえがある。後半、お祭り騒ぎのなかで進行する処刑の場面が特にすごい。

Tetsuya Sato