2013年5月16日木曜日

マウス・ハント

マウス・ハント
Mouse Hunt
1997年 アメリカ 99分
監督:ゴア・ヴァビンスキー

金に困った兄弟が遺産で受け取った家をオークションにかけて売り飛ばそうとする。ところがそこには一匹のネズミが住んでいて、先住権を主張して抵抗を開始する。
ネズミに襲いかかる凶暴無比なニャジラもかわいいし(足が)、クリストファー・ウォーケン扮するネズミ退治のプロも実によろしい。しかしなんといってもこの映画のいいところはネズミが(猫もだが)人間の理屈ではまったく動かず、ただ自分の目的に沿って黙々と行動しているところであろう。動物が主要な役割を担って映画に登場する場合、その役割はしばしば単に人間の機能を代行していることが多いが、この映画のネズミはネズミの姿そのままで、だから当然台詞もない、しかしネズミの理屈を掲げて正々堂々と人間どもに宣戦を布告し、ネズミ獲りのプロも怪しい方法でやっつけて、それでも命は救うために警察に無言電話をかけたりする。この得体の知れなさがちょっとない。シンプルなストーリーにあまり品のよろしくない笑いがちりばめられていて、しかも納得できるハッピーエンドで、これはとても好きな映画なのである。 



Tetsuya Sato