2018年7月16日月曜日

ジュラシック・ワールド/炎の王国

ジュラシック・ワールド/炎の王国
Jurassic World: Fallen Kingdom
2018年 アメリカ 128分

『ジュラシック・ワールド』の事件から5年後という設定で遊園地の施設は廃墟になり、パークの管理者であったクレア・ディアリングが恐竜保護団体を主宰してなにやらそれらしい活動をしているとイスラ・ヌブラル島の火山が噴火を起こして島に残った恐竜たちが危険にさらされ、恐竜への支援を求める声が巷に起こるがひさしぶりに登場したイアン・マルコム博士が連邦議会で要領を得ない証言をして人類の傲慢をたしなめながら恐竜の運命を自然にゆだねるように主張するので政府はイスラ・ヌブラル島の恐竜を見捨てる決定を下し、決定を聞いて絶望しているクレア・ディアリングはかつてハモンド博士と関係のあったベンジャミン・ロックウッドから接触を受けて恐竜を安全な島へ移送する計画への協力を依頼され、森へ消えたヴェロキラプトルのブルーを捜索するためにオーウェン・グレイディが呼び戻され、一行が島に到着するとすでに捕獲が進行中でオーウェン・グレイディもブルーとの再会を果たすがベンジャミン・ロックウッドの提案とは裏腹にロックウッド財団は最初から悪事をたくらんでいたので捕獲された恐竜は安全な島に運ばれる代わりに西欧から唐突に移植されたとおぼしきシャトーの下に作られた財団の秘密施設に運び込まれ、全世界から集まったいかがわしい人々を相手にオークションが開始される。
『ジュラシック・ワールド』の続編で前作の監督コリン・トレヴォロウは脚本に移り、監督はファン・アントニオ・パヨナに交代。前半のイスラ・ヌブラル島を中心にした一連の場面は軽快なリズムで構成されており、後半、ロックウッド邸に舞台が移るとここにはそもそも死にかけた大富豪、謎の女中、謎の少女、友好的なだけに絶対になにかたくらんでいる管財人となにやらゴシックな要素が盛り込まれていて、騒動が始まって手早く謎が明かされていく一方で怪物が月に向かって吠えるといきなりものものしくコーラスがかかるという大時代なホラー演出が展開する。対立する双方がなにかしら悲劇的な同質性をはらむのは監督のファン・アントニオ・パヨナがギレルモ・デル・トロに近いせいもあるのかもしれないが、シャトー/古城、人工の怪物、傲慢でもあり醜悪でもある人間というあたりで『フランケンシュタイン』という原点により強く接続されているような気がした。察するところ、後半の少々まがまがしい雰囲気は30年代以降のユニバーサルホラーに足を置いているのではあるまいか。ハマーも少し入っているように見えたが、古いところをきちんと勉強して応用している感じが好ましい。シリーズとしては冒頭と最後にイアン・マルコム博士を配置していることで、これは総括と考えてよいのだろう。クリス・プラットは安定のヒーローを演じ、ブライス・ダラス・ハワードもやる気いっぱいという感じでとてもよい(しかもよくよくウニモグに縁があるみたい)。あと装輪式対地雷装甲車ケイマンの映画登場は珍しいかもしれない。

Tetsuya Sato