2015年3月18日水曜日

アンティキラー

アンティキラー
Antikiller 2
2003年 ロシア 92分
監督:イゴール・ミハルコフ・コンチャロフスキー

ロシアの警官隊がチェチェンのテロリストを強襲し、その指導者を確保して刑務所に入れる。すると指導者の息子たちなど一族郎党がロシアに現われ、奪還、テロなどをたくらんで行動を開始する。
原題は"Antikiller 2"で、シリーズ二作目ということになるらしい。監督のイゴール・ミハルコフ・コンチャロフスキーはアンドレイ・コンチャロフスキーの息子で、ニキータ・ミハルコフの甥にあたる。実はその興味だけで見た映画だが、これが意外な拾い物なのであった。アクション・シーンは歯切れがよく、終盤に入って乱れが見えるが、場面展開もスピーディ、警察側は警察らしく組織で動き、テロリスト側は無謀ではあってもバカには描かれていない。途中、スキンヘッドの暴動シーンなどが挿入され、その鎮圧のために騎馬警官隊が投入されるというちょっとおいしい場面もある。そしてアクション・シーンがはらむ暴力性はアメリカ映画でもなかなかに見かけない種類のもので、銃を構えた連中が異様なまでの殺気を放ち、行動にあたって躊躇がない。仕上がりは少々まとまりを欠いているが、迫力とテンションの高さは評価したい。出演者もいい顔がそろっている。爆発に巻き込まれると吹っ飛ばされるよりもまず耳が痛い、頭が痛いというリアリティは新鮮であった。


Tetsuya Sato