2013年11月5日火曜日

彼女はパートタイムトラベラー

彼女はパートタイムトラベラー
Safety Not Guaranteed
2012年 アメリカ 85分
監督:コリン・トレボロウ

シアトル・マガジンの企画会議で記者の一人ジェフが時間旅行の同行者を求める新聞広告のことを話題に上げ、ジェフがダリウスとアーマウのインターン二人をともなって広告主がいる海岸の町に訪れるが、調べてみると広告主は食料雑貨店で店員をしているケネスという男で、早速ジェフが接近を試みるとお愛想笑いを浮かべているというような理由で追い払われ、父親からも暗いと言われているダリウスが代わって近づいて時間旅行の同行者として認められると、それからは森を走ったり、射撃をしたりという訓練が始まり、取材をダリウスにまかせたジェフは、取材に訪れたこの町にいたことがあって、かつての恋人がまだ住んでいることを確かめるとそちらの方面へ話を傾け、ダリウスとケネスは次第に親密さをまして関係を進め、いよいよ時間旅行へ旅立つというときになって政府関係者とおぼしき男たちがケネスを狙う。 
ヒロインのダリウスがオーブリー・プラザで、これがエキセントリックで魅力的。登場人物は配役も含めてよく考慮され、ほどよく圧縮されたダイアログは洗練されている。演出はおおむねにおいて淡々としているが、複合的な構造を散漫にならずにまとめているし、全体に短めなカットが確実に機能しているのでリズム感が乏しいという印象は残らない。新人の作品としては水準以上ということになるだろう。最後になってまさか本当にタイムマシンが登場するとは思わなかった。 

Tetsuya Sato