2016年12月31日土曜日

ジャングル・ブック

ジャングル・ブック
The Jungle Book
2016年 イギリス/アメリカ 106分
監督:ジョン・ファヴロー

ジャングルに一人でいた人間の子供をヒョウのバギーラが見つけてオオカミのグループに預け、子供はモーグリと名づけられて牝オオカミのラクシャによって育てられ、そこへトラのシア・カーンが現われて自分の顔に傷を負わせたのは人間であり、人間は自分の仇なので子供を渡せとオオカミに迫り、オオカミのリーダー、アキーラが拒絶するとシア・カーンは戦争を宣言、モーグリはオオカミの群れから離れることを決意してバギーラに連れられて人間の村を目指して出発するが、途中でシア・カーンに襲われてバギーラとはぐれ、ヘビのカーによって自分の過去に関わる秘密を明かされ、クマのバルーに助けられてうまい具合に使役され、バギーラと再会を果たして村への道を進もうとするが、突如として出現したサルの軍団にさらわれてキング・ルーイの前に運ばれる。 
DVDで鑑賞。バギーラの声がベン・キングズレー、カーの声がスカーレット・ヨハンソン、シア・カーンの声がイドリス・エルバ、バルーの声がビル・マーレイ、キング・ルーイがクリストファー・ウォーケン。ラドヤード・キプリングの『ジャングル・ブック』の映画化だが、プロットのベースは1967年版のアニメーションのほうであろう。それをさらにモダンに味付けして、ジョン・ファヴローがいい映画に仕上げている(監督本人が顔を出す機会がない素材だからなのかもしれないが)。構成に無駄がなく、ダイアログもスピーディーで、呼吸もいい。動物ストーカー映画そこのけにリアルに造形された動物キャラクターにはどれもきちんと表情があり、キング・ルーイはなぜかちゃんとクリストファー・ウォーケンの目をしている。オオカミの子供たちをはじめ、毛皮のもふもふ感がよく出ていて、それがうろうろする様子はあまりにも愛らしくてイライラするほどだし、脇役動物たちが微妙に病的なところもかわいらしい。エンディングロールに登場する飛び出す絵本も含め、非常に造形的で楽しめたので、劇場で見なかったことが惜しまれる。 

Tetsuya Sato