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月の裏側には大宇宙の偉大な力の基地があった。大きな黒い鳥が近づいていくとクレーターの底に隠されたドアが花弁を広げる花のように口を開けた。大きな黒い鳥は着陸床に降り立って翼をたたみ、大きな黒い鳥の皮を捨ててロボットになった。
くくくくく、とロボットが笑った。
基地の司令室ではエルフの一団が働いていた。同族をギュンによって魔法玉に変えられた恨みから、多くのエルフが大宇宙の偉大な力に与していた。ヘッドセットをつけたエルフたちがコンソールの前に並び、監視衛星から送られてくる地表の画像に目を凝らし、ギュンの姿を探していた。
司令室の先は無数の列柱が立ち並ぶ広間になっていた。広間の奥には巨大な顔が鎮座していた。赤く輝く目を怒らせ、鼻から白い煙を吹き出していた。恐れを感じたエルフたちが顔の前でひれ伏していた。
くくくくく、とロボットが笑った。
ロボットは巨大な顔の前に立った。巨大な顔の目が、赤白赤白と点滅した。
「わたしは大宇宙の偉大な力だ」巨大な顔がロボットに言った。「小惑星作戦は失敗に終わり、所長の軍団も敗退した。しかし、所長の信号はまだ受け取っている。所長はまだ任務を遂行しているのか?」
くくくくく、とロボットが笑った。
「所長は完全にロボットになった」とロボットが言った。「自分の軍団を作って人類殲滅をたくらみ、アンデッドとなったピュンと手を組んだ」
「裏切り者め。所長へ向けて惑星壊滅爆弾を発射するのだ。ギュンも所長も、そしてピュンも、地球とともに砕けて宇宙の塵となるがいい」
くくくくく、とロボットが笑った。
Copyright ©2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
くくくくく、とロボットが笑った。
基地の司令室ではエルフの一団が働いていた。同族をギュンによって魔法玉に変えられた恨みから、多くのエルフが大宇宙の偉大な力に与していた。ヘッドセットをつけたエルフたちがコンソールの前に並び、監視衛星から送られてくる地表の画像に目を凝らし、ギュンの姿を探していた。
司令室の先は無数の列柱が立ち並ぶ広間になっていた。広間の奥には巨大な顔が鎮座していた。赤く輝く目を怒らせ、鼻から白い煙を吹き出していた。恐れを感じたエルフたちが顔の前でひれ伏していた。
くくくくく、とロボットが笑った。
ロボットは巨大な顔の前に立った。巨大な顔の目が、赤白赤白と点滅した。
「わたしは大宇宙の偉大な力だ」巨大な顔がロボットに言った。「小惑星作戦は失敗に終わり、所長の軍団も敗退した。しかし、所長の信号はまだ受け取っている。所長はまだ任務を遂行しているのか?」
くくくくく、とロボットが笑った。
「所長は完全にロボットになった」とロボットが言った。「自分の軍団を作って人類殲滅をたくらみ、アンデッドとなったピュンと手を組んだ」
「裏切り者め。所長へ向けて惑星壊滅爆弾を発射するのだ。ギュンも所長も、そしてピュンも、地球とともに砕けて宇宙の塵となるがいい」
くくくくく、とロボットが笑った。
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