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ネロエは秩序を回復した。しかし魔法の力を回復させる泉の水がなくなっていたので、呪文を唱える代わりに荒れ地に鉄条網で囲いを作り、捕えた革命派をそこに送った。革命派の家族もそこに送った。革命に一定の理解を示した者、革命派の現在の境遇に同情的な者も捕えてそこに送り、革命派に同情していなくてもネロエの政策に批判的な者、批判はしていなくても批判する権利はあると主張した者、決して批判するわけではないと前置きをしてから寛容と和解を訴えた者も捕えてそこに送り込んだ。もちろん森のエルフもそこに送った。そこには鉄条網があるだけで、屋根も壁も食べ物もなかった。飢えた人々が逃げ出すことがないように、ネロエは五十メートルおきに監視塔を作って警備兵を配置した。実弾が入った銃を与えられた警備兵は鉄条網に近づく者に無警告で発砲した。
ネロエは言った。
「ここはまだ清浄とは言えません。あらゆる場所に邪悪な黒い力の影が見えます。薄暗い場所に隠れて邪悪な力をたくわえています。破壊と混乱をもたらす機会を虎視眈々と狙っています。わたしたちは警戒しなければなりません。正義のための戦いを続け、敵を根絶しなければなりません。敵を根絶するためには、ときには苦渋の選択もしなければなりません。邪悪な力が常に邪悪な姿をしているとは限りません。邪悪な黒い力に与した者は偽りで作った善意の仮面をかぶっています。すべてを疑わなければなりません。あなたの家族や隣人を疑わなければなりません。偽りの仮面を暴かなければなりません。世界を清浄な場所に戻さなければなりません。いかなる者も疑いを免れることはできません。告発を歓迎します」
Copyright ©2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
ネロエは言った。
「ここはまだ清浄とは言えません。あらゆる場所に邪悪な黒い力の影が見えます。薄暗い場所に隠れて邪悪な力をたくわえています。破壊と混乱をもたらす機会を虎視眈々と狙っています。わたしたちは警戒しなければなりません。正義のための戦いを続け、敵を根絶しなければなりません。敵を根絶するためには、ときには苦渋の選択もしなければなりません。邪悪な力が常に邪悪な姿をしているとは限りません。邪悪な黒い力に与した者は偽りで作った善意の仮面をかぶっています。すべてを疑わなければなりません。あなたの家族や隣人を疑わなければなりません。偽りの仮面を暴かなければなりません。世界を清浄な場所に戻さなければなりません。いかなる者も疑いを免れることはできません。告発を歓迎します」
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