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山羊ヒゲの男が逃げ出した。労農大衆は集会を開いて革命派への支持を撤回し、王様ばんざいと叫んで赤旗を焼いた。そこへ革命派の兵士たちが押し寄せてきて、大衆に機関銃の銃口を向けると弾の雨を浴びせかけた。阿鼻叫喚の騒ぎになり、男や女が、老人や子供が、エルフやオークやゼリー状の怪物がばたばたと倒れた。キュンが弾の雨をくぐって飛び出した。杖で敷石を突くとクロエがショットガンの引き金を引き、ヒュンが見境なしに斬りかかった。革命派の兵士たちは皆殺しにされ、大衆は機関銃と弾薬を手に入れたが、どこからともなく湧いて出た旦那衆に鞭で打たれて追い払われた。ヒュンの前で老人が叫んだ。
「森のエルフの弓兵が革命派についているそうだ。長老の屋敷の普請で干渉された仕返しだそうだ。勢揃いでやって来て、いま城を攻めているそうだ」
「味方は?」
クロエがたずねると老人が叫んだ。
「陸軍幼年学校の生徒だけだ」
白銀のヘルメットをかぶったエルフの兵士たちが弓に二本三本と矢をつがえ、次々と城に向かって放っていた。休みなく降り注ぐ非情の矢が幼年学校の生徒の胸や腕をつらぬいた。少年たちは純白の制服を流れ出る血で汚し、母親の名を呼びながら息絶えていった。
ヒュンがクロエとキュンとともにエルフの隊列に突っ込んでいった。キュンが杖で敷石を叩き、クロエのショットガンが火を噴いた。エルフは弓矢と魔法で反撃したが、ヒュンは剣を振って弾き返した。エルフの弓兵たちはショットガンで吹き飛ばされ、自分が放った矢と魔法に苛まれ、解決できないステータス異常を抱えて全滅した。
Copyright ©2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
「森のエルフの弓兵が革命派についているそうだ。長老の屋敷の普請で干渉された仕返しだそうだ。勢揃いでやって来て、いま城を攻めているそうだ」
「味方は?」
クロエがたずねると老人が叫んだ。
「陸軍幼年学校の生徒だけだ」
白銀のヘルメットをかぶったエルフの兵士たちが弓に二本三本と矢をつがえ、次々と城に向かって放っていた。休みなく降り注ぐ非情の矢が幼年学校の生徒の胸や腕をつらぬいた。少年たちは純白の制服を流れ出る血で汚し、母親の名を呼びながら息絶えていった。
ヒュンがクロエとキュンとともにエルフの隊列に突っ込んでいった。キュンが杖で敷石を叩き、クロエのショットガンが火を噴いた。エルフは弓矢と魔法で反撃したが、ヒュンは剣を振って弾き返した。エルフの弓兵たちはショットガンで吹き飛ばされ、自分が放った矢と魔法に苛まれ、解決できないステータス異常を抱えて全滅した。
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