Asterix & Obelix : Mission Cleopatra
2002年 フランス・ドイツ 108分
監督:アラン・シャバ
ゴシニ、ユデルゾのコミック『アステリックス』の映画化。ちょっと重たくて間抜けな雰囲気はよく出ている。
紀元前52年のエジプト、女王クレオパトラはエジプト人が世界に冠たる民族であることを証明するために、カエサルのための宮殿を三か月で完成させることにする。そのために選ばれたのがエジプトでいちばん暇な建築家ニュメロビスであったが、失敗すればワニのエサになると聞かされて、ニュメロビスは援助を求めてガリアへ旅立つ。ガリアに住むドルイドの魔術師パノラミックスから超人になる薬を分けてもらって、それでなんとかしようというひどく曖昧な魂胆であったが、パノラミックスからは薬の一般販売はしていないと言われ、ニュメロビスは落胆する。だが幸いにもパノラミックスにはアレキサンドリアの図書館に用があり、だからエジプトに同行しようという話になり、パノラミックスが腰を上げるとアステリックス、オベリックスも腰を上げ、途中、地中海で赤髭のバイキングを撃退しながら(というか、アステリックス、オベリックスが怖くて勝手に自滅していたが)みんなでエジプトまでやってくる。そしてニュメロビスが工事を進めていくと、その一方では宮廷建築家のアモンボフィスがニュメロビス失脚をたくらんで陰謀を進め、労働者を扇動したり、石材の輸送を妨害したり、カエサルと結託したりする、というような話がついてはいるが、一言で正体を言ってしまえばしつこくて野暮ったいギャグを満載したバラエティショーなのである。踊りもあるし、パロディもあるし(ローマの将軍はどこかで見たような形のヘルメットをかぶっているし、建築家対建築家の決闘がカンフー・モードに入っていくと台詞も広東語になってしまう)、アニメもあるし(アニメではないが、なぜか伊勢エビに関する意味不明の短編映画までが入っている)、とにかく盛りだくさんの内容で、それなりに手間もお金もかかっているし、ということで、口を開けて見ている分には悪いことは何もない。
Tetsuya Sato