Turbo
2013年 アメリカ 92分
監督:デヴィッド・ソーレン
郊外住宅の小さな菜園で毎日トマトの収穫をして、毎日一匹ずつカラスに捕食されて諦観を抱えて暮らしているカタツムリのグループがいて、そのなかの一匹、テオはカタツムリらしからぬことにスピードにあこがれていて、毎晩のようにガレージでインディ500の録画を見て興奮したりしていたが、ある日遠出をしたところでストリートレース中の車のニトロ搭載のエンジンに巻き込まれ、それ以来スーパーパワーを身につけて猛スピードで走れるようになったものの、奇行が目にあまって集団の安全を脅かすという理由で兄のチェットともども菜園を追放されるはめになり、たまたま行き着いた先でタコス屋を営む兄弟の弟に拾われ、この弟がカタツムリレースの主催者であったことからテオは一気に才能を認められて、タコス屋を含むさびれた一帯の再興もかけてテオはターボの名でインディ500にエントリーすることになる。
ターボがライアン・レイノルズ、兄のチェットがポール・ジアマッティ、いちばん頭のおかしい改造カタツムリがサミュエル・L・ジャクソン、ターボのスポンサーになる自動車修理工がミシェル・ロドリゲス、ターボがあこがれているトップレーサーがビル・ヘイダー。冒頭のインディ500のシーンの精密さがまず涙もの。大量に登場するカタツムリは殻も含めてみな個性を備え、レース用に改造されたカタツムリたちの異様な乗りもなかなかに楽しい。クライマックスのレースシーンも大迫力で、これがなぜ劇場公開されなかったのか、首をかしげる。
Tetsuya Sato