Hostage
2005年 アメリカ 113分
監督:フローラン=エミリオ・シリ
ジェフ・タリーはロサンゼルス市警で交渉人をしていたが、ある事件で痛手を受けていまは田舎町の警察署長となっている。そしてその平和な町のはずれにあるほとんど難攻不落のような豪邸で事件が起こり、チンピラ三人が人質を取って立て籠り、その豪邸のあるじが犯罪組織の関係者だったことから犯罪組織が動き出し、ジェフ・タリーの家族を人質に取る。つまり妻子の命が惜しければ言うことを聞け、という話になるわけだけど、脅されてぽろぽろ涙まで流した署長ジェフ・タリーが何を考えていたのかは見ていてもよくわからなかった。
結婚生活の危機と家族の危機に悩む署長、家族を気にかける犯罪結社の会計士、人質になった姉と弟、家族の絆について考えたいチンピラ兄弟の弟、愛を求める殺人犯、といったようなものがごちゃごちゃと立て込んでいて、しかもまるで整理されていない。暴力シーンは陰惨なだけ、ブルース・ウィリスの感情出しまくり演技は見ているうちに辛くなった。すべて監督の責任だったとすれば、この語り口のまずさ、隙の多さは『スズメバチ』を彷彿とさせる。
Tetsuya Sato