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仮面をつけた合唱隊が城の中庭に整列した。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは悪しき竜に力を与え、
「王を、国を悩ませた。
「悪がはびこり、善が倒れた。
「勇者が竜の首を断ち切るまで、
「悪がはびこり、善が倒れた。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは勇者を王に変えた。
「無為と無策の二柱で、
「国を、民を悩ませた。
「無知がはびこり、知恵が押された。
「怒りの民が立ち上がるまで、
「無知がはびこり、知恵が押された。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは新たな王を与えた。
「新たな王には血も肉もない。
「新たな王には心もない。
「ただ呪いを運び、国と民とを悩ませた。
「新たな呪いを迎えるまで、
「国と民とを悩ませた。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは呪いをこの国に与えた。
「女に導きの手を与え、
「国に道を誤らせた。
「悪がはびこり、善が倒れた。
「無知がはびこり、知恵が押された。
「呪いを広げ、国と民とを悩ませた。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは勇者を呼び戻した。
「勇者よ、そなたは王となるのか。
「女よ、そなたはどこへ行くのか」
「気になるのですか?」
ネロエが呪文を唱え始めた。
Copyright c2015 Tetsuya Sato All rights reserved.
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは悪しき竜に力を与え、
「王を、国を悩ませた。
「悪がはびこり、善が倒れた。
「勇者が竜の首を断ち切るまで、
「悪がはびこり、善が倒れた。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは勇者を王に変えた。
「無為と無策の二柱で、
「国を、民を悩ませた。
「無知がはびこり、知恵が押された。
「怒りの民が立ち上がるまで、
「無知がはびこり、知恵が押された。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは新たな王を与えた。
「新たな王には血も肉もない。
「新たな王には心もない。
「ただ呪いを運び、国と民とを悩ませた。
「新たな呪いを迎えるまで、
「国と民とを悩ませた。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは呪いをこの国に与えた。
「女に導きの手を与え、
「国に道を誤らせた。
「悪がはびこり、善が倒れた。
「無知がはびこり、知恵が押された。
「呪いを広げ、国と民とを悩ませた。
「ああ、嘆かわしき宿命よ、
「そなたは勇者を呼び戻した。
「勇者よ、そなたは王となるのか。
「女よ、そなたはどこへ行くのか」
「気になるのですか?」
ネロエが呪文を唱え始めた。
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