Cinco de Mayo: La batalla
2013年 メキシコ 126分
監督:ラファ・ラーラン
1861年、財政難に苦しむメキシコは対外債務の支払い延期を決定、これに対してフランス、イギリス、スペインは債権の回収を目的に共同してベラクルスへ出兵、イギリスとスペインは翌年までに撤収するが、メキシコに対して領土的野心を抱くフランスは6000人規模の部隊を上陸させてメキシコ軍を攻撃、メキシコ軍を指揮するサラゴサ将軍は劣勢な自軍をプエブラまで撤退させて陣地を築き、メキシコ軍を過小評価したフランス軍は1862年5月5日、勝利を確信してプエブラを強襲、戦況はフランス軍の有利に展開するものの(映画の描写のとおりなら)複雑な地形に悩まされ、一方メキシコ軍は粘り強く抵抗を続け、雨が降って歩兵の運用が困難になったところで温存していた騎兵を投入してフランス軍の側面を突く。
人物のことさらな類型化と類型化を補填するためのドラマに少々難があるものの、衣装、武器などのディテールはよくできているし、なによりも戦闘シーンがすばらしい。山岳戦から遭遇戦、会戦から攻城戦、騎兵の突撃とバリエーションも豊かで、迫力に満ちたプエブラの戦いは涙が出るほどフォトジェニックで、手持ちカメラを多用しながらも戦術的な状況を確実に伝えるという一種の荒業を成功させている。
Tetsuya Sato