2013年5月8日水曜日

パワープレイ

パワープレイ
Power Play
1978年 カナダ/イギリス 104分
監督:マーティン・バーク

中央ヨーロッパに設定されたとおぼしき架空の国で政権の腐敗を嘆く一部の軍人が軍大学の教授の掛け声で謀議を始め、仲間を集めてクーデターを計画し、秘密警察は怪しい気配を感じとり、時が熟したところで軍の一部が行動を開始して秘密警察の拠点が襲撃を受け、セオリー通りに放送局、電話局が占領され、宮殿も占領されて大統領が逮捕される。

軍事史が専門のアメリカの歴史学者エドワード・ルトワックの『クーデター入門』を原作に、ドキュメンタリー出身のマーティン・バークが脚本、監督を担当し、クーデターの計画立案から決行までを描くことを主眼にした正真正銘の「クーデター」映画で、緊張感のある演出とシャープな映像で一気に最後まで駆け抜ける。傑作なのである。クーデターの中心となる大佐がデイヴィッド・ヘミングス、戦車部隊の指揮官がピーター・オトゥール、秘密警察の長官がドナルド・プレザンスとキャスティングも非常にいい具合にまとまっていて、しかも無名時代のマイケル・アイアンサイドもちょっと顔を出している。

Stingray『パワープレイ』特別編
Tetsuya Sato