Snakes on a Plane
2006年 ドイツ・アメリカ 107分
監督:デヴィッド・R・エリス
犯罪社会の大物エディー・キムがハワイで検事を殺してロサンゼルスへ戻り、FBIの捜査官ネヴィル・フリン(サミュエル・L・ジャクソン)は殺害場面を目撃した証人とともにロサンゼルス行きの旅客機に乗り込む。ところがその旅客機の貨物室にはフェロモンを嗅がされて凶暴化した毒蛇が大小各種山ほども詰め込まれていて、高度一万メートルに達したところで暴れ始める、という冗談のような話を大真面目に映画にしていて、思いつきは外道ではあるが、なぜか立派な航空パニック物に仕上がっており、しかも全体にテンポが早くてだれ場はない。プロットはおおむね約束どおりで、最初の犠牲者は不純異性交遊中の男女だし、いやな乗客はきっちり分相応の最期を遂げる。冒頭の殺人場面から証人保護に至る一連のシークエンスの安っぽさに少々不安を感じたものの、蛇が暴れ始めてからの情け無用のパニック描写はなかなかに力が入っている。
Tetsuya Sato