Horror of Dracula
1958年 イギリス 82分
監督:テレンス・フィッシャー
身分と真意を偽って城に潜入したジョナサン・ハーカーは女吸血鬼を倒すことに成功するものの、ドラキュラに血を吸われて吸血鬼となる。ハーカーの行方を追って城を訪れたヴァン・ヘルシングは変わり果てたハーカーを見つけるが、ドラキュラはすでに逃げたあとであった。ドラキュラは女吸血鬼を殺された報復としてハーカーの婚約者ルーシーを吸血鬼に変え、ルーシーの兄アーサー・ホルムウッドの妻ミナにも手にかけるが、ヴァン・ヘルシングによって追い詰められ、朝日を浴びて滅ぼされる。
中盤以降の展開は早く、演出もスピード感がある。ブラム・ストーカーの原作は大幅に圧縮され、登場人物も大幅に改変され、クリストファー・リー扮する吸血鬼はベラ・ルゴシのような重たさはまったくなくて、軽快で、ほとんど何も考えていない。不動産屋をかどわかして屋敷を購入して、というような面倒なことも一切しないのである。ただ悪事が見つかると逃げるだけ。ということで、そのへんの犯罪者とあまり変わりがない。思いきりはよいと思う。
Tetsuya Sato