2013年5月9日木曜日

ジャスティス(1979)

ジャスティス
...And Justice for All.
1979年 アメリカ 119分
監督:ノーマン・ジュイソン

ボルティモアの刑事弁護士アーサー・カークランドは無実の依頼人を刑務所から救い出すために確実な証拠を提出していたが、冷血な判事フレミングが裁量を拒んで証拠を認めないことに怒り、フレミングに殴りかかって法廷侮辱罪でぶち込まれ、間もなく解放されてさまざまな依頼人のためにあわただしく法廷に立ち、あれやこれやで法の執行と正義の所在について釈然としない思いを抱いていると、判事のフレミングが強姦罪で逮捕され、法曹界の誰もがその有罪を疑わないという状況でフレミングは敵対するアーサー・カークランドに弁護を依頼し、アーサー・カークランドは事実上強制された形で弁護を引き受けるが、アーサー・カークランドもまたフレミングの有罪を疑っていない。
両手に時計をはめた弁護士アーサー・カークランドがアル・パチーノ、権力をふるう悪い判事がジョン・フォーサイス、その隣で異常な行動をしているもうひとりの判事がジャック・ウォーデンで、このひとは執務室を銃で埋め、法廷にもピストルを隠して現われる。原題にある「万人の正義」がそもそも正義として成立するはずもなく、ただ勝者と敗者にわけるだけであるという主張をいかにもノーマン・ジュイソンらしいストレートな演出でたたみかけ、その結果はかなりコミカルで見ごたえのあるものになっている。アル・パチーノは熱演。主人公の祖父役でリー・ストラスバーグが登場する。 



Tetsuya Sato