2008年 日本 125分
監督・脚本:宮藤官九郎
レコード会社の契約社員栗田かんなは契約切れ間際になって謎のパンクバンドを発見し、社長からコンタクトを取るように命じられるが、実際にコンタクトをしてみるとこれが20年前に解散したバンドでメンバーはことごとくおじさんになっており、これはやばいと栗田かんなが考える間もなく社長がネットに流した映像は相当なアクセス数を稼ぎ出し、ツアーの日程もいつの間にか決まってしまっているので逃げ場がなくなり、奇跡を期待してつきあい始めると奇跡が起こる、というような内容である。
宮崎あおいは文句なしにかわいらしいし、少年メリケンサックのメンバー(特に木村祐一)も悪くないし、まるっきりGACKTなTELYAが歌う「アンドロメダおまえは」もなかなかにすごいし、けっこういい場面もそれなりにあるにもかかわらず、全体としてのリズムがとにかく悪い。不器用につなぎあわされたテレビのミニシリーズのように見えるのである。キャラクターの造形にやたらと時間をかける一方、映像で何を表現するのかをあまり考えていないのではあるまいか。
Tetsuya Sato