2013年5月27日月曜日

酔いがさめたら、うちに帰ろう。

酔いがさめたら、うちに帰ろう。
2010年 日本 118分
監督:東陽一

塚原安行は帰宅して血を吐いて病院へ運ばれ、ガンマGTPが危険領域を突破していることが検査でわかり、断酒を決意して通院するものの、すぐにアルコールに手を出したため、精神病院に入院して治療を受け、アルコール依存症はどうにか克服するものの、腎臓は癌に冒されている。という話の合間に離婚した妻が子供を連れて、家族同然のように親しみを込めて塚原安行を励ましたりする。
塚原安行のモデルは鴨志田穣で、元の妻は西原理恵子になる。浅野忠信をはじめ、出演者はおおむねにおいてがんばっているように見えたが、東陽一による脚本は素人芝居の悪い見本のようであり、場面の構成はひとりよがりで、ダイアログに抑制がない。そして東陽一による編集はひとりよがりで、連続性の乏しさをダイアログに依存している。とはいえ、もっとも決定的な欠陥は、ところどころにインサートされる西原理恵子の絵のほうがよほどに雄弁に見えるという事実であり、その事実に気がつかないまま、西原理恵子の絵をそのまま使っている鈍さにある。 





Tetsuya Sato