2013年10月31日木曜日

クライヴ・バーカー 血の本

クライヴ・バーカー 血の本
Book of Blood
2009年 イギリス 101分
監督:ジョン・ハリソン

心霊現象の研究者メアリ・フロレスク博士は怪現象が目撃された家で調査をおこない、その家が死者が歩く道の十字路にあたることを発見し、調査に同行した若者は死者のメッセージを肌に刻まれて生きながら血の本になる。
クライヴ・バーカー『血の本』のプロローグ及びエピローグの映画化。いかにも重そうな空気を帯びたスコットランド・ロケが実に陰鬱な感じでなかなかによろしい。オリジナルに顕在するセクシャリティに関わるモチーフをほどよく消化し、正統派の幽霊屋敷ものにクライヴ・バーカーのテイストを盛り込んだ脚本もそれなりによくできていて、演出上の才気は格別に感じられないものの、きわめて真面目に映像化しているところが好ましい。 



Tetsuya Sato