The Abomination
1986年 アメリカ 86分
監督:ブレット・マコーミック
車といえばおもにトラックが走っていて運転手がビールを浴びるように飲んでいるアメリカの田舎にコディ―・リーという名の自動車修理工の若者がいて、肺に腫瘍ができた母親がテレビ説教師に入れあげて説教師がブラウン管のなかから命じるままにテレビに手をかざすと口から血とともに腫瘍を吐き出し、ゴミ箱に捨てられた腫瘍は夜中にコディ・リーの口に入り、以来コディ・リーはひどく気分が悪くなって、仕事を休んで寝ていると腫瘍を吐いて、吐いた腫瘍をベッドの裏に貼りつけるといきなり出かけてひとを殺し、死体をベッドの下に隠すと腫瘍が死体を食べて大きくなり、次々にひとを殺して与えていくと怪物のような姿になる。
結末の台詞からすると悪が外在化した姿を描こうとしたような意図がうかがえるが、どのような意図があったにしてもこれは素人映画であり、カットはまとまりが悪く、ほとんどのシーンは妙に長くて間がもたない。スラッシャー描写は80年代のこのクラスの映画としてはリアルにできているが、台所を占拠して人間を食べ続ける怪物は見たまんまはりぼてで迫力がない。
Tetsuya Sato