Silent Hill
2006年 カナダ・日本・アメリカ・フランス 126分
監督:クリストフ・ガンズ
母親ローズ・ダ・シルヴァは娘シャロンを夢遊病から救うために、娘が無意識に口したウエストバージニアの町サイレントヒルを訪れるが、そこは火災によって久しく放棄された土地で、入口は封鎖されている。それでも前へ進んでいくと途中で娘を見失い、娘を探して町へ入るとそこは降りしきる灰で霞んでいる。ローズ・ダ・シルヴァは娘の名を叫びながら町をさまよい、すると唐突にサイレンが鳴り、続いていきなり闇が訪れ、不気味な影が奥からぞろぞろと現われる。
コナミの同名のゲームの映画化。ちなみにこのゲームはやったことがない。
冒頭、ラダ・ミッチェルが夢遊病の娘を探してうろうろし始めたあたりですでに不安を感じ、ラダ・ミッチェルが一度拾い上げたぬいぐるみのクマを投げ捨てたところでポイントを下げ(そういうところをわたしはカウントしているのである)、あとはこの頭の悪いヒロインの行動に苛々し続けた。消化もできない癖にキャラクターを増やしすぎているし、話にもならない手がかりにストーリーの展開を頼るという、なんだかどこかのホラーゲームみたいな安易な進め方が気に入らない。怪物の造形などはそれなりに不気味だが、ただ、これはゲームのままなのではあるまいか。空間がまだしも造形的なだけ『アローン・イン・ザ・ダーク』よりはいくらかましだが、雑で不潔。
Tetsuya Sato