2013年9月6日金曜日

バンディット

バンディット
Janosik. Prawdziwa historia
2009年 ポーランド/スロヴァキア/チェコ 145分
監督:アグニエシュカ・ホランド、カーシャ・アダミク

1711年、ヤノーシクは反乱軍の一員としてハプスブルク家と戦っていたが、捕虜となると徴兵されて兵士となり、そこで投獄されていた盗賊トマーシュ・ウホルチークと知り合い、トマーシュ・ウホルチークの手引きで自由を得ると山に戻って牧童となるが、引退を決めたトマーシュ・ウホルチークは自分の山賊団をヤノーシクにゆずるのでヤノーシクはゆずられるまま山賊団の頭目となり、商人の家を襲ったり、馬車を襲ったりして稼いだ金を村の人々に分け与えたことで義賊としての評判を得るが、1713年、ウホルチークの家を訪れたところを憲兵に囲まれて逮捕され、拷問を受け、鉤に吊るされて処刑される。
話はヤノーシク(ヤーノシーク)の伝記におおむね忠実にしたがって進行し、山賊以外には何も産業がなさそうなタトラ山地のうんざりするような風景がほぼ全編にわたって背景に広がり、結婚式から葬式まで奇習の数々が紹介される。それはそれでなかなかに興味深いものではあるものの、そういう場所だからほかにすることがないということなのか、女たちがやたらと発情したり、男と女がやたらと交接したりする。
ヤノーシク役のヴァーツラフ・イラチェックがかつらの似合うハンサムで、監督のアグニエシュカ・ホランド、カーシャ・アダミクの母娘がなにやらはしゃぎながら男をいじり倒している、という気配が濃厚にあって、画面を眺めているうちにこちらはなにやら困ったような気持ちになる。


Tetsuya Sato