The Young Lions
1958年 アメリカ 169分
監督:エドワード・ドミトリク
バイエルンで外国人相手にスキーの教師をしている青年クリスチャン・ディーストルはナチ党員にはならずにナチ政権に期待するという方針を選び、ニューヨークでは貧しいユダヤ人の青年ノア・アッカーマンが恋に落ち、ブロードウェイのスターであるマイケル・ウィティカーは徴兵免除のための手段を探し、間もなく戦争が始まるとクリスチャン・ディーストルは陸軍の将校となってドイツ占領下のパリに現われ、ノア・アッカーマンは幸福な結婚の直後に徴兵されて中隊でひどいいじめにあい、徴兵逃れに失敗したマイケル・ウィティカーはその様子を目撃して疑問を抱き、クリスチャン・ディーストルは警官じみた仕事を嫌って北アフリカへの転属を求め、マイケル・ウィティカーは情報部門に転属し、ノア・アッカーマンの中隊ではまともな大尉が隊長となり、ドイツが敗色を帯びてくるとクリスチャン・ディーストルは負傷して病院へ送られ、ロンドンの安全な部署にいたマイケル・ウィティカーはそこにいることの弁明に飽きて前線を選び、ノルマンディーでドイツ軍と戦うノア・アッカーマンはドイツ軍の包囲を越えて戦友を守り、車列が空襲されて森へ逃れたクリスチャン・ディーストルは強制収容所へたどり着いて所長の言葉に反発し、その強制収容所は間もなくアメリカ軍によって解放され、兵士たちはバラックを覗いて衝撃を受け、ノア・アッカーマンは世界に平和を期待しながら森を歩いてそこに現れたクリスチャン・ディーストルを射殺する。
アーウィン・ショーの原作は未読。時間的にも空間的にも圧縮された戦争を背景に人間性を生真面目に問いかけて演出は忍耐強く、作劇もたくみで見ごたえがある。ドイツ人青年が金髪のマーロン・ブランド、マーロン・ブランドの上官がマクシミリアン・シェル、ニューヨークのユダヤ人青年がモンゴメリー・クリフト、ディーン・マーティンはそのまんま、軍隊でモンゴメリー・クリフトをいじめる軍曹がリー・ヴァン・クリーフ。モンゴメリー・クリフトは熱演し、ディーン・マーティンは役どころをうまく掴んでいる。マーロン・ブランドという配役には少々疑問を感じないでもなかったが、人工的で中立的なキャラクターを意図していたのだとすれば、そういうことになるのかもしれない。
Tetsuya Sato