Once Upon A Time In America
1984年 アメリカ 227分（完全版）
監督：セルジオ・レオーネ
1933年のブルックリン。銃を持った男たちはヌードルスを探してその立ち回り先に現われ、追われる男ヌードルスは追っ手を退けて街を逃れる。それから35年が経過し、年老いたヌードルスは再び街に現われ、旧友を訪ねて宿を求め、やがて回想に耽り始める。
禁酒法時代の初頭から1960年の終わりまで、ユダヤ系ギャングの若者たちを中心とするほぼ半世紀にわたる物語をセルジオ・レオーネが実に豊かに描き出している。美術がすばらしく、静謐を折り込んだ撮影がまたすばらしく、エンニオ・モリコーネの音楽は言うことがない。全編は叙情にあふれ、ひたむきで恥知らずで、不安で狂おしく、そして青春は一服のアヘンのように心地よいのである。ヌードルス役のロバート・デ・ニーロはおそらく最高の演技をしているし、親友マックス役のジェームズ・ウッズも複雑な役を実に巧みにこなしている。この生涯一チンピラのヌードルスと上昇志向の塊のようなマックスの奇怪な関係は見ごたえがある。
Tetsuya Sato
