Where Eagles Dare
1968年 アメリカ 158分
監督:ブライアン・G・ハットン
連合軍の欧州侵攻作戦を知るアメリカ軍のカーナビー将軍がドイツ軍の捕虜となり、鷲の城と呼ばれる山岳要塞に収容された。そこで英国情報部はカーナビー将軍が何かを喋ってしまう前に救出すべく、スミス少佐(リチャード・バートン)ほか5名の英国人部隊にアメリカ陸軍レンジャー部隊のシェイファー中尉(クリント・イーストウッド)を加えた7名にドイツ軍の制服を着せ、ドイツ軍の塗装をほどこしたJu52でアルプスに送り込む。ところがパラシュート降下した隊員たちが集合してみると通信兵が首の骨を折って死んでおり、事故を装ってはいるものの、首の後ろの打撲は他殺であることを示している。冒頭からすでにスミス少佐の行動が怪しい。しかも飛行機からは隊員たちが飛び降りたあとでもう一人、ブロンドの女が降下している。隊員たちは山小屋へ到着し、スミス少佐は理由をつけて外へ出ると、この女と会って会話を交わす。そして素知らぬ顔で小屋へ戻り、残った全員を引き連れて鷲の城へと近づいていく。山肌から見下ろすその城塞には難攻不落のおもむきがあり、接近するにはふもとの町からロープウェイを使用するか、新開発のヘリコプターを使うかしか方法がない。
スミス少佐とその一行はふもとの町へ下りてドイツ軍に紛れ込み、酒場に入って情報収集を試みる。ところが酒場にはスミス少佐の言いなりに動く女給がおり、少佐には周辺の建物の配置などをよく知っているような様子がある。少佐は理由をつけて女と二人きりになり、そこへ山で出会った女も現われ、またしても怪しい会話が交わされ、そして少佐が酒場へ戻ろうとしたところで仲間がもう一人、殺されているのを見つけるのである。それだけではない。ドイツ軍は少佐たちの行動を把握していて、行く先々に次々と追っ手が現われる。仲間を殺しているのは誰なのか、裏切り者はどこにいるのか、少佐の奇怪な行動はいったい何を示しているのか。
話はやがて要塞に進み、そこから先は、もう、どんでん返しに継ぐどんでん返しで、口から出任せのようなどんでん返しのつるべ打ちがあり、大爆発があり、大追跡があり、それでもドイツ軍の弾は絶対に当たらない、という具合の盛りだくさんの内容で、それなりに楽しめる映画になっている。とはいえ、敵側の間抜けぶりに期待して切り抜ける、というのがけっこうあって、これはちょっとずるいと思うぞ。それとクリント・イーストウッドはいつものあの髪形のままなので、ドイツ軍の制服を着てもドイツ兵には全然見えない。
Tetsuya Sato