2013年9月25日水曜日

空軍大戦略

空軍大戦略
Battle of Britain
1969年 イギリス 133分
監督:ガイ・ハミルトン

ダンケルクの戦いのあと、ドイツはイギリス侵攻の準備にかかり、制空権を確保するためにドーバーのレーダー網をシュトゥーカで叩き、空軍基地を爆撃し、これに対してイギリスはスピットファイアの編隊を空に上げ、いわゆる「英国の戦い」に取りかかる。
スピットファイアは言うまでもなく、シュトゥーカ、He 111、メッサーシュミット、冒頭と中盤に顔を出すJu 52もすべて実機で、特にHe 111は合成で増やした分も含めてこれでもかと登場して空軍基地とロンドンを爆撃する。航空戦を扱った戦争映画としてはおそらく最高水準にあり、バリエーションの豊富な空戦シーンだけでもすばらしいが、抑制の利いた人物描写にはうまさがあり、防空システムに関する細部の描写は興味深く、戦時下のイギリス、ドイツ占領下のフランス、侵攻準備を進めるドイツ軍、ヒトラーの演説にわくベルリンなど背景についても抜かりがない。 

Tetsuya Sato