The Great Escape
1963年 アメリカ 168分
監督:ジョン・スタージェス
ドイツ空軍管轄の真新しい捕虜収容所に脱走常習犯ばかりが送られてくる。問題のある捕虜を集中管理して問題を解決しようという試みであったが、その捕虜というのはもう移送されてくる途中から脱走を試み、到着するや否や脱走を試み、腰を落ち着けたところで本格的な脱走の準備に取り掛かる。
脱走の指揮を取るのがリチャード・アッテンボロー、なんでも作るのがジェームズ・コバーン、なんでも調達するのがジェームズ・ガーナー、なんでも偽造するのがドナルド・プレザンス、穴を掘るのがチャールズ・ブロンソンという具合にそれぞれが一芸に秀でていて、黙々と仕事に励むところが面白い。で、その合間にスティーブ・マックィーンが独立独歩の気性を見せて脱走に耽る。
とはいえ、こういう場合、やはり性格が出るのであろう。連合軍捕虜(ほぼ全員が将校で、航空兵)の落ち着きのない態度を見ていると、収容所の所長の言うようにこれは病的だと考えたくなるし、いちおう史実を踏まえていると聞くと、ますますそういう気持ちになる。だから大量の脱走者を出して所長が更迭される場面では、なんとなく所長に肩入れをするわたしであった。
Tetsuya Sato