2013年9月20日金曜日

ナバロンの要塞

ナバロンの要塞
The Guns of Navarone
1961年 アメリカ 158分
監督:J・リー・トンプソン

1943年の地中海東部。イギリス軍のケロス島守備隊2000名はドイツ軍の侵攻を前に撤退の必要に迫られていたが、脱出航路はナバロン島のドイツ軍要塞に置かれた二門の巨砲によって制圧されていた。与えられた猶予期間は一週間。イギリス軍はナバロン島の要塞に対して航空攻撃を敢行するが、犠牲者が出るばかりで効果はない。そこで地上攻撃に切り替えて潜入作戦を立案し、島の絶壁を突破するために登山家キース・マロリーが呼び寄せられる。ほかに爆破の専門家、殺しの専門家、機械の専門家などが集められ、作戦立案者のフランクリン少佐の指揮のもと、ギリシアの漁民に偽装してナバロン島に潜入する。だが断崖登攀の途中で少佐は負傷し、迎えに出たレジスタンスはわずか二人、おまけになぜかドイツ軍に行動が筒抜けになっていて彼らは次第に追い詰められていく。
その後に出現した類型に比べると完成度は高いが、キース・マロリー役のグレゴリー・ペックがまったくの朴念仁として登場し、まるで余裕がない。この余裕の乏しさが特にデビッド・ニヴンに噛みあっていかない。J・リー・トンプソンにまるで洒落っ気がないからであろうと思われる。巨砲のセットはさすがに迫力があるものの、要塞や波をかぶる駆逐艦などのミニチュアはあまり出来がよろしくない。

Tetsuya Sato