Avengers: Age of Ultron
2015年 アメリカ 142分
監督:ジョス・ウェドン
ロキの杖を手に入れたハイドラがなにやら秘密の研究をおこなっているということでアベンジャーズがハイドラの秘密基地を急襲して杖を押収し、スタークは杖を分析して人工知能のモデルを発見、これはウルトロンに使えるということでマッドサイエンティスト的な抑制の乏しさから早速プログラミングに取りかかったところ、スタークの不在中にウルトロンが勝手に覚醒してジャーヴィスを攻撃、マーク42を改造して肉体を確保するとロキの杖を奪って人類殲滅を宣言し、アベンジャーズはワンダとピエトロの双子を仲間に加えてウルトロンの野望に挑戦する。
スタークがペッパーとの関係で落ち着き始めていて、ナターシャもバナーに関係を求めて落ち着く方向へ傾いて、ホークアイに至ってはすっかり落ち着いている、という状況では一作目のよい意味での粗放さは現われない。アベンジャーズという強引なまとまりに対してキャラクターの拡散が目立つ結果になっている。小ネタはいっぱい入っているし、ウルトロンのどことなくロキなキャラクターも悪くないし、アクションシーンもそれぞれに頑張って作られているものの、にもかかわらず勢いを得られないというのは小市民的な願望がプロットにまとわりついているせいであろう。視覚的な豊かさを含めて言うまでもなく水準以上の作品ではあるものの、甚だ勝手な話で恐縮だが、こちらが期待する水準には達していない。
Tetsuya Sato