Dabangg
2010年 インド 126分
監督:アビナフ・シン・カシュヤップ
インド北部ウッタル・プラデーシュ州のラールガンジという町にパンデーという少々強欲な地主がいて、その妻の連れ子チュルブルとパンデーとのあいだにできたマカンチャンドの兄弟は察するところパンデーが実の子マカンチャンドのほうに手間をかけたこともあって幼いころからいがみあうことになり、21年後、チュルブルは町の警察で警部になって銀行強盗のアジトに単身踏み込んで一味を締め上げて銀行から奪った金を奪い取り、部下に報告書の捏造を命令し、犯人追跡中に見初めた娘ラッジョーには図々しく迫ってセクハラをするという見たまんまの悪徳警官であったが、にもかかわらず正義の味方で、市会議員への立候補を目指す若手政治家チェディー・シンはチュルブルの職権乱用を非難するが、実はこのチェディー・シンこそが悪の元締めで、州内務大臣に近づく一方で酒の密造をおこない、政治資金を集めるために強盗を指示するという具合なので、州内務大臣はチェディー・シンを片づけるためにチュルブルに肩入れし、チュルブルは証拠を捏造してチェディー・シンを陥れ、するとチェディー・シンはパンデーの工場を焼き、倒れた父親の治療費に悩むマカンチャンドを仲間に引き入れてテロの片棒を担がせ、さらにチュルブル殺害を指示するので恐れを感じたマカンチャンドはチュルブルに一切を告白し、チュルブルはチェディー・シンとの対決に臨む、という合間に恋をして結婚もして歌って踊る。
ふつうなら3時間でやる内容を2時間強に圧縮していて、そのせいなのか、やってることはいつもと同じと言えば同じなのに妙に密度が濃くて、画面の圧力が異様に高い。というわけで見ごたえはあるが、少し疲れる。それとこの地方権力の腐敗ぶりはちょっとすごい。
Tetsuya Sato