What We Do in the Shadows
2014年 ニュージーランド 85分
監督:ジェマイン・クレメント
ニュージーランドのウェリントンに70人ほどのヴァンパイアが生息していて、人口40万人ほどの都市にそれはなんでも多過ぎだろうと思うわけだけど、安全を保証されたドキュメンタリー・クルーがそのヴァンパイアの生活を追った、というフェイク・ドキュメンタリー。ドキュメンタリー映画のための公的な基金らしき名前がタイトルにクレジットされているけれど、本当ならニュージーランド政府は洒落がわかるのであろう。なんとなくわびしくて発展性のない生活に追い込まれたヴァンパイア四人が一軒家をシェアしながら皿洗いの問題でもめたり、編み物をしたり、やはりヴァンパイアだから獲物を狩ったり、自分の部屋に引き込んで血をすすろうというところで家具やじゅうたんが汚れるのを心配して新聞紙を敷いたり、噛み間違えて大動脈を切断して大流血を引き起こしたり、妙に理性的でインテリ臭い狼男の集団と喧嘩をしたり、というような日常を、ほぼ脈絡なく、しかしアイデアだけはをとにかく惜しまずに盛り込んでいる。泥臭い映画だが、頭を絞っているところは無条件に評価したい。
Tetsuya Sato